こんにちは、もちです。
7月上旬に、国立西洋美術館で開催されている「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」に行ってきました!
今回出品される61作品はすべて初来日ということで、とても貴重な展覧会になっています。
フェルメールの《ヴァージナルの前に座る若い女性》、ゴッホの《ひまわり》、モネの《睡蓮の池》など有名作品はもちろんですが、それ以外にも素敵な作品が多く来日しています。
「西洋絵画の教科書」とも言われるロンドン・ナショナル・ギャラリーが、海外で行う初の大規模展覧会ということだったので、今回は事前に少し予習をしてから鑑賞することにしました。
そこで、展覧会に行く前に行ったことと、展覧会を見て特に気に入った作品についてまとめました。
目次
「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」に行く前に
公式サイト・twitter をチェック
展覧会の公式サイトとtwitterは必ず事前に確認するようにしています。
会期や会場の場所はもちろん、展覧会の見どころやオリジナルグッズの情報が手に入ります。
今回は公式サイト内に、監修者さんが語る作品の魅力紹介動画があったので、とても勉強になりました!
あらかじめ見どころを知っておくことで、「この絵のここを観たいな」と意識しながら展覧会に行けるのが良いですね。
【🇬🇧動画公開中🌻】
現在開幕延期中の #ロンドン展 は、ゴッホ《ひまわり》をはじめ、フェルメール、モネ、レンブラントなど全作品が主役とも言える豪華な展覧会!
同展の監修者が各章と個人的おススメ作品を紹介する「みどころ動画」を公開中です✨
是非ご覧ください👀https://t.co/33Ks041eEI— ロンドン・ナショナル・ギャラリー展 (@london_2020art) May 22, 2020
ガイドブックを読む
西洋美術についてあまり詳しくないため、何か事前に読んでおかなければ…!と思い購入したのがこちらの本です。
結論、読んでよかったです!
この本は主にゴッホとフェルメールに焦点を当てた構成となっています。
画家の生きた時代背景、絵を描いた当時の状況などがまとめられているため、「この絵を描いた時、きっとこんな気持ちだったんだろうな…」と思いを馳せながら鑑賞することができました。
西洋美術史にあまり詳しくない人、習ったことがあるけれど予習しておきたい人にはオススメです。
書評はこちらにあります↓
【書評】「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展 完全ガイドブック」日時指定制のチケットを買う
東京展では、混雑緩和のために日時指定制での鑑賞となっています。
事前にチケットを用意して向かいましょう。
⚠️重要【東京展6月18日開幕・日時指定制導入】#ロンドン展 東京展の開幕日が決定!
【会期】6月18日(木)~10月18日(日)
※ただし、6月18日(木)~21日(日)は前売券・招待券をお持ちの方と、無料鑑賞対象の方のみご入場いただけます詳細は公式サイトまで↓https://t.co/BM5GTeBGIX
— ロンドン・ナショナル・ギャラリー展 (@london_2020art) June 4, 2020
- 事前のチケット購入が必須
- チケットは日時指定制
- 会場での入場券販売は無し
- 「前売券・招待券用 日時指定券」を別途購入
- または当日先着順で入場
お気に入りの作品3選
ムリーリョ《幼い洗礼者聖ヨハネと子羊》
宗教画には「〇〇を持っていたらあの人」「××を着ていたらこの人」のような決まりがあります。
このように、描かれた人物を特定するためのアイテムのことを「アトリビュート」と言います。
このような決まり事があるために「宗教画は難しそう…」という印象を持つ人も多いのではないでしょうか?
そんな方にこそ見ていただきたいのが、ムリーリョの《幼い洗礼者聖ヨハネと子羊》です。
とにかく可愛い!少年も子羊も可愛い!!愛すべきもふもふの共演です。
洗礼者というと髭の生えた青年というイメージがあったので、幼少期を描いたというのが新鮮に感じました。
絵のタイトルからも分かるように、この可愛らしい少年が幼き頃の聖ヨハネです。
彼の足元には十字架が描かれています。これが聖ヨハネのアトリビュートです。
聖ヨハネは後にイエスに洗礼を与える役割を持ちます。
そして、人間の罪に対するつぐないとしてイエスは生贄になるわけですが、この絵に描かれている子羊こそがイエスの象徴ということになります。
このように、宗教画に描かれている人物が誰で、どのような役割を持っているのかが分かると、絵を鑑賞するのが楽しくなりますね。
《幼い洗礼者聖ヨハネと子羊》はとにかくその可愛らしさが目を惹きますが、興味を持った絵に描かれたテーマについて図録やキャプションから学んでいくと、より深い芸術鑑賞ができます。
ゲインズバラ《シドンズ夫人》
とにかく美しくて、心惹かれました…!
凛とした表情、肌の透明感、髪や服の柔らかい質感…。
リボンのついた黒い帽子や、ストライプ模様のドレスなど、その装いもお洒落で素敵ですね。
公式サイトの作品紹介には「流行の服装を身にまとう、当時最も人気を博したシェイクスピア女優」と書かれています。
シドンズ夫人は、18世紀イギリスの女優です。
シェイクスピアの悲劇『マクベス』に登場するマクベス夫人を演じたことで有名です。
同じくシドンズ夫人を描いた有名な絵として、ジョシュア・レノルズの《悲劇の女神を演じるシドンズ夫人》があります。
レノルズの絵には、舞台の一場面のようにポーズを取ったシドンズ夫人が描かれています。(こちらはロンドン・ナショナル・ギャラリー展には出展されていません。)
一方、今回出展されたゲインズバラの絵は、キリッとした目元やキュッと結んだ口元から、芯を持って懸命に生きた彼女自身の個性がにじみ出ているように感じました。
ちなみに、ゲインズバラは風景画を描くことを好み、肖像画は生活費を稼ぐための手段だったようです。
今回のロンドン・ナショナル・ギャラリー展には、ゲインズバラの風景画《水飲み場》も出展されています。
ゲインズバラの風景画、肖像画のどちらも見られるなんて贅沢な展覧会ですね。
ゴッホ《ひまわり》
言わずと知れた名画中の名画!とにかく圧がすごい(笑)
ゴッホは生涯に多くのひまわりの絵を描いたことで有名ですね。
花瓶に生けたひまわりを描いた作品のうち、今回出展される作品は「4番目のひまわり」ということになります。
ゴッホは南仏アルルに、芸術家の共同制作の場を作ろうと夢見ていました。
通称「黄色い家」にゴーガンが引っ越してくるのを待つ間に、この4番目のひまわりを描きました。
これからの生活に対する期待を膨らませながら描いていたのだと想像できます。
残念ながらゴーガン都の共同生活は長く続かずに破綻してしまいます…。
そのことを知っていると、ちょっぴり切なくなりますね。
今回初来日の名画というだけあって、日時指定制の入場とはいえ、《ひまわり》の絵の周囲には人だかりができていました。
せっかくなので近くで鑑賞してきましたが、絵具の盛り上がりだけでなく、筆を押し付けたような凹みまで見ることができました。
ひまわりも、花瓶も、背景までも黄色が使われた作品ですが、打ち消し合うことなく良さを引き立たせあっています。
絵画好きの方にはぜひ観て欲しい一枚です!
まとめ
ロンドン・ナショナル・ギャラリー展は、もともと2020年3月3日に開幕予定でした。
しかしながら、コロナの流行によって当初の予定通りの開催が難しい状況でした。
そんな中、会期を変更して2020年6月18日より開催ということで、今回この歴史的な展覧会を見ることができるようになりました。
未曾有の状況の中、日本、イギリス双方の多くの関係者の方が、この展覧会を開催できるよう尽力してくださったことと思います。
もう感謝しかありません!
公式サイトにもある通り、ロンドン・ナショナル・ギャラリーが館外で大規模な作品展を開くのは初めてということで、歴史的に見ても非常に価値のある展覧会だと思います。
ぜひ「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」に足を運んで、西洋絵画の歴史を感じたりお気に入りの作品を見つけたりと、鑑賞を楽しんでいただきたいです。
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