【書評】「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展 完全ガイドブック」

ロンドンナショナルギャラリー

こんにちは、もちです。

 

先日、会期変更された「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」がついに開幕しました!

混雑緩和のため東京展の入場券は日時指定制ということで、あらかじめ予約を済ませ、当日を楽しみに待っているところです。

 

せっかくなので今回の展覧会の予習をしておこうと思い、書籍を数冊購入して読んでいます。

その中で特にわかりやすく面白かった「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展 完全ガイドブック」をご紹介します。

この本の概要

ISBN:9784022792563
発売日:2020年3月3日
A4判   96ページ  平綴じ

AERAムックとして手頃なページ数のガイドブックが発行されています。

全ページフルカラーで見応え抜群です!

初来日となるゴッホの「ひまわり」の絵が目印です。

この本で学べること

  • 出展作品を鑑賞する上での注目ポイントがわかる
  • ゴッホ、フェルメールの生きた時代と、絵に込めた想いがわかる
  • 西洋美術のおおまかな流れと、その背景にある人々の営みが垣間見れる

こんな人にオススメ

  • 展覧会の見どころを予習したい
  • ゴッホ、フェルメールの生涯をざっくり知りたい
  • 出展作品のほか、関連する作品もカラーで楽しみたい

展覧会の魅力を伝える一冊

「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」の完全ガイドブックと銘打っているだけあって、展覧会の見どころがわかりやすく解説されています。

冊子冒頭には、今回来日する作品の中でも特に注目したい選りすぐりの名画がずらりと並んで壮観です。

ところどころ美術史独特の用語が出てきますが、わかりやすい文章で解説されているのでスラスラと読むことができました。

 

A4サイズの判型を生かし、写真が大きくて綺麗なのが印象的です。

とにかく図版が多く、見ていて飽きません。

パラパラとめくって、気になるところから記事を読んでも良いと思います。

 

ロンドン・ナショナル・ギャラリーは「西洋絵画の教科書」と言われています。

西洋美術史の流れについて理解を深めるためにも、ぜひ事前に読んでおきたい一冊です。

2大巨匠に着目した充実の特集記事

今回の展覧会のために来日する作品の中でも、特に有名なのはゴッホの「ひまわり」と、フェルメールの「ヴァージナルの前に座る若い女性」かと思います。

本書では、この有名なゴッホとフェルメールに焦点を当てた構成になっています。

二人の画家の人生について、改めて知っておきたいという方にもオススメです。

ゴッホ

Cafe Van Gogh

*Photo by Frank Eiffert on Unsplash

 

ゴッホの手によって、花瓶に挿された「ひまわり」の油絵は7枚制作されています。

今回の展覧会では4番目の「ひまわり」が来日するわけですが、ひまわりの絵を見分けることはできますか?

 

本書では、7点の「ひまわり」の油絵を、制作時期や制作エピソードとともに全て見比べることができます。

ゴッホの人生のどのポイントで描かれたかわかりやすく、また、制作時の心情を想像しながら絵を見ることができるようになります。

ゴッホの人生を考える上で大事なゴーガンとの関係も、わかりやすくまとめられています。

 

ちなみに、今回来日する4番目の「ひまわり」の次に描かれた5番目の「ひまわり」は、日本の「SOMPO美術館」で見ることができます。

 

mochi

5番目のひまわりは以前に見たことがあり、その力強さに圧倒されました。

「ひまわりと目が合う!!」という衝撃は忘れられません。

今回のナショナル・ギャラリーのひまわりにも早く会いたい!

フェルメール

マルクト広場

*Photo by Toni Zaat on Unsplash

 

フェルメールは、もちろん画家として有名ですが、経済的に苦しかった晩年には貸付金の回収なども行っていたようです。

そんなフェルメールの人生についてまとめられています。

 

フェルメールの絵を見たことがある人は、「意外と小さいな」と思ったことがあるかもしれません。

今回来日する「ヴァージナルの前に座る若い女性」も51.5×45.5cmとかなり小さめ。

絵の大きさは、どこに飾るか=誰からの依頼で描かれたのかによって変わります。

フェルメールの絵はもちろん、その他の出展作品のサイズ感に注目して見るのも面白いです。

本書にはフェルメールの絵画や、展覧会の出展作品のサイズ比較も掲載されています。

 

また、フェルメールは絵の中にメッセージ性のあるアイテムを書き込むことでも有名です。

「ヴァージナルの前に座る若い女性」には、タイトル通りヴァージナル(鍵盤楽器)が描かれ、また、背景には「取り持ち女」の絵が飾られています。

これらがどういう意味合いを持っているのか、あらかじめ知った上で現物を見ると、感慨深いものがあるかもしれません。

*アイキャッチ:Photo by Lucia Hatalova on Unsplash

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