こんにちは、もちです。
水彩絵の具を使っている方が「水彩紙が水を弾いてしまって描きにくい…」とおっしゃっているのを聞くことがあります。
せっかく買った水彩紙が思っていたよりも水を弾き、お蔵入り…となってしまってはもったいないですよね。
そんなときには「オックスゴール」を使うと、絵の具が紙に馴染みやすくなり、描き心地が改善されるかもしれません!
画材屋さんの水彩コーナーでは隅っこの目立ちにくいところにあったりするオックスゴールですが、水彩画を描くときの強い味方になります。
今回はオックスゴールの使い方や、各メーカーの商品をご紹介します。
水彩を使いはじめてそろそろ1年経ちますが、今読んでいる本でオックスゴールなるものを初めて知りました🐄 まだまだ知らないことが多く、奥が深い…!これもブログに書きたい🌷 pic.twitter.com/U7KAZLaXQ2
— もち🌷 (@mochiblog0x0) April 19, 2021
目次
オックスゴールの効果
水彩紙が水を弾くしくみ
オックスゴールについて解説する前に、まずは水彩紙がなぜ水を弾くのか知っておきましょう。
もともと水彩紙には、絵の具が染み込みすぎるのを防ぐため、表面にサイズ剤というものがが塗布されています(サイジング)。
このサイズ剤があることによって紙に絵の具が染み込みすぎず、絵の具の発色が良くなっているのです。
ただ、画材どうしの相性によっては、水彩紙が絵の具を弾いてしまい、描きにくいと感じることがあります。
オックスゴールの効果
オックスゴールは界面活性剤の一種で、絵の具の表面張力を和らげる効果があります。
つまり、オックスゴールを使うことで水彩紙に絵の具が馴染みやすくなり、「水彩紙が水を弾く」という現象が改善されるというわけです。
また、同じ色で広く塗りたい場合にムラができるのを軽減することもできます。
滲み具合も強くなるので、ふんわりとした雰囲気の絵を描くのにも最適です。
- 水を弾きやすい紙に馴染みやすくなる
- 広い面積を均一にムラなく塗れる
- じわっと柔らかい滲みが作れる
オックスゴールあり・なしの比較
↓左がオックスゴールなし、右がオックスゴールありです。
右の方がより滑らかでムラのない色になっているのが分かります。
水彩紙の凹凸によってできるムラも水彩画の味ではありますが、均一に塗りたい時にはオックスゴールが役立ちます。
↓同じく右がオックスゴールなし、左がありです。
下段の滲みを見ると分かる通り、オックスゴールありの方が、絵の具が広範囲にふわっと広がっているのが分かります。
※上記見本で使用しているのはクサカベ透明水彩絵の具のローズマダー(薔薇)です。
オックスゴールの使い方
薄めたオックスゴールを紙に直接塗る
オックスゴールを水で薄め、それを直接紙に塗るという方法です。
使用する紙自体が水を弾くように感じる場合は、この方法が手っ取り早そうです。
オックスゴールと水の分量は、各メーカーの推奨量に応じます。
オックスゴールで絵の具を溶く
絵の具を水で溶くのと同じように、オックスゴールで溶きます。
パレットに絵の具とオックスゴールを出して混ぜ合わせるようなイメージです。
後述しますが、例えばクサカベのオックスゴールは水250mlに対し2〜5滴が適量なので、オックスゴールの原液をそのまま絵の具と混ぜるのではなく、オックスゴールを薄めた水で絵の具を溶きます。
オックスゴールを入れすぎると、絵の具が紙に染み込みすぎるため、発色が落ちます。
「いつもよりも沈んだ色合いだな」と思ったら、オックスゴールの入れすぎかも。
各メーカーの推奨量を守って使うようにしましょう。
オックスゴールを取り扱っているメーカー
水彩絵の具を取り扱っている各メーカーさんがオックスゴールも販売しています。
メーカーによって形状は様々で、液状のもの、絵具のようにチューブに入ったもの、固形のもの等があります。
推奨されている使用量もそれぞれ異なるので、好きなメーカーのもの、または自分の描き方にあったものを選びましょう。
クサカベ
無色透明なオックスゴールです。
容器の口が狭くなっており、少量ずつ出すことができます。
こちらは水250mlに対して2~5滴が適量と、かなり薄めて使うタイプです。
上記の割合で薄めたオックスゴールで絵具を溶くか、事前に紙に塗ります。
水バケツの大きさによっては、直接オックスゴールを垂らして使うことができそうです。
詳しい説明は公式サイトのこちらにあります。
※Amazon等では見つけることができませんでした…。
世界堂さんのオンラインショップだとこちらにありました。
ホルベイン
茶色っぽい液状のオックスゴールです。
容器の口が狭くなっており、少量ずつ出すことができます。
原液をパレットの上で絵の具に混ぜ合わせるか、水で薄めて紙に塗ります。
大量の水に溶かすと効果が薄くなるうようです。
ウィンザー&ニュートン
茶色っぽい液状のオックスゴールです。
こちらも原液をパレットの上で絵の具に混ぜ合わせるか、水で薄めて紙に塗ります。
シュミンケ
「ONETZ(オネッツ)」という商品名で販売されているオックスゴールです。
5mlチューブタイプと、ハーフパンの2種類の形状があります。
ホルベインやクサカベのオックスゴールのような液状ではないので、パレット上で絵の具に混ぜ合わせる使い方が良さそう。
オックスゴールは画材屋さんの水彩絵の具コーナーに置いてあります。
ネットで購入できるものもあるので、紙が水を弾くと感じた時や、ムラなく絵の具を塗りたい絵を描くときにぜひ使ってみてください!
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